読書日記(ピック・アップ版)(平成19年)


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(最終更新:平成19年12月7日)


平成19年12月6日読了 湯川・朝永生誕百年企画展委員会編・佐藤文隆監修「素粒子の世界を拓く 湯川秀樹・朝永振一郎の人と時代」(京都大学学術出版会)
 
平成19年12月5日(水)から14日(金)に金沢大学資料館で、12月18日(火)から24日(月)に金沢21世紀美術館で、「湯川yt永振一郎生誕100年記念展 素粒子の世界を拓く」が開かれている。初日の12月5日に、附属図書館へ本を返す用事があったので、記念展に寄ることにした(金沢大学資料館は、金沢大学附属図書館に併設されている)。
 展示からは、「基礎物理の研究は、こうやってやるのか」ということがわかって非常に興味深い。理論が証明できる実験装置も実際に動かしている。
 会場の入り口では、定価1500円のとろ、1200円(24%引きと強調されていた)で購入できるとして、1冊の本が販売されていた。値引きの誘引に負けて衝動買いしたのが、この本である。ちなみに、毎月多額の書籍代を支出している私としては、(もちろん、買わないのが一番お金の節約になるのだが、本は自分への投資だと思っている)24%引きは、「大きい」のである。
 湯川秀樹の伝記・エッセイ類は、結構読んでいるのだが、朝永振一郎のそれらは、あまり読んでいない(『物理学とは何だろうか(上)(下)』(岩波新書)くらい)。2人分あわせて読めるところがよかった。学者のあり方についても、考えさせられることがある。また、理系と文系の学問のあり方の違いも、気になるところではある。
 ちなみに、私が湯川秀樹の伝記類を(専門違いでありながら、いまだに)結構読んでいるのは、私の名前と無関係ではない。小学校時代、湯川秀樹の伝記から、私が湯川秀樹の次兄、東洋史学者の京都大学名誉教授・貝塚茂樹と同名であることを知ってから、非常に親近感を覚え、かつ興味がわいたものである。小学生としては、偉い学者と同名というのは、少々得した気分である。自宅には、貝塚茂樹共編の漢和辞典もあった。
 私が「茂樹」と名付けられたのも、この小川家の兄弟(元々は2人とも「小川」だが、婿養子となっている。小川家には5人の男子がおり、すべて「○樹」と名付けられた)とまったく無関係ではないようである(ただし、有名人の名前を無断で?拝借!?)。実は、私は、2人の息子にも「○樹」と名付けている。(僭越)


平成19年10月12日読了 三ケ月章『一法学徒の歩み』(有斐閣)
 すぐ下と同じく、通常の「読書日記」には載せていない「法律関係の本」ではあるが、少し紹介をしたい。
 この本は、著者のいわゆる「エッセイ集」となっている。なかでも、「学生よ、本を買え」(205頁以下。昭和36年)は、今から50年近く前でも現在と似たような状況にあったことがわかって興味深い。ただ、おそらく学生のお金の使い道は、今と昔とでは、かなり違うだろうが……。ちなみに、今の学生は、半年間使用する2500円の教科書が「高い」と思うが、月々20000円の携帯電話料金は「必要」だと考えているようである。
 また、「口述試験のすすめ」(226頁以下。昭和40年)は、新司法試験の口述試験廃止に一石を投じていないか。人間、書いたものだけではわからないことが、少ししゃべらせてみれば、よくわかるのだが。
 その他、少々古いものも含めて、興味深い文章が目白押しである。


平成19年4月22日読了 大木雅夫『異文化の法律家』(有信堂)
 通常の「読書日記」には載せていない「法律関係の本」=仕事関係の本ではある。が、少し紹介をしたい。
 「T学問」の中の「法律学の誕生」のボローニャ大学に関する部分に次のような文章がある。
 「学生たちの権力は強大であり、本務をおろそかにしてアルバイトに専念したり、今でいえばタレント教授の類い(ママ)は、学生によって構成される弾劾委員会に引き出された。それどころか、教授が始業ベル後直ちに講義を始めなかったり、終業ベルの前に授業を打ち切ったり、あるいは学期末までに所定の講義を終わらせえなかったというような場合には、学生組合は、その教授から罰金を徴収したほどである」(同書8頁)。
 罰金云々の部分はともかくとしても、全国の法科大学院は、「先祖返り」の状況にある!?


平成19年2月17日読了 久保博司「詐欺師のすべて」(文春文庫)
 
まさに、「人を見たら詐欺師と思え!」である。


平成19年1月31日読了 安倍司「食品の裏側 みんな大好きな食品添加物」(東洋経済新報社)
 新聞の広告欄にあったので、読む気になった。ほとんどの本は、購入して読むのだが、これは、図書館で借りればよいかと考え、地元の市立図書館に行ったところ、貸し出し中であった。その図書館には、予約制度があるので、予約を入れることにした。予約した本が返却され、利用可能となると、電子メールで知らせてもらえるシステムである。この予約を入れたのは、確か昨年の6月頃だったと記憶している。
 同時に他の2冊の本の予約を入れたのだが、その2冊は、早晩、メールが届き、借りることができた(この2冊は、すぐに発刊される文庫版を購入予定であったのだが、新書版で読む必要ができたため、借りることにした本である)。しかし、「食品の裏側」は、待てど暮らせどメールが来ない。いよいよ、手違いか何かで忘れたられたのか、と考えたところ、昨日、メールが届いていたというわけで、かなり多くの人がこの本を借りて読んでいるようである。
 まあ、一言でいえば、「おそるべし、食品添加物」である。


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