金沢大学法学部・自己点検評価書(平成10年7月分まで増補)

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尾島茂樹(おじま しげき)

民事法大講座助教授 民法

1.研究テーマ及ぴ公刊された業維
 従来,契約法(金融取引法,クレジット取引法)および不法行為法(交通事故損害賠償法)を中心として研究をすすめてきた。近時は、民法のその他の分野にも研究を広げている。平成元年以降の公刊された研究業績、および学会報告としては,以下のものがある。
  1. 著書
    1.  『クレジット取引判例資料集』(共著)〔(社)日本クレジット産業協会・平4〕  
    2.  『生活常識の為の基礎法学』(共著)〔八千代出版・平5〕  
    3.  『クレジット判例ハンドブック』(共著)〔(社)日本クレジット産業協会・平5〕  
    4.  『現代民法入門』(共著)〔一橋出版・平9〕 
  2. 学術論文(論説・研究ノート)
    1.  「ファクタリングと動産売買先取特権の物上代位の競合(1)〜(4・完)」名古屋大学法政論集118号,120号,122号,124号〔昭63〜平元〕
    2.  「公序良俗違反の契約とクレジット契約」クレジット研究2号〔平元〕
    3.  「医薬品副作用リスクの制御制度−司法」『人体に影響する環境リスクの社会的評価』(科研報告書)〔平2〕
    4.  「書面によらないクーリング・オフ」クレジット研究3号〔平2〕
    5.  「いわゆる名義貸しと心裡留保規定の類推適用」クレジット研究4号〔平2〕
    6.  「加盟店へのクレジット代金支払いと債権の準占有者への弁済」クレジット研究5号〔平3〕
    7.  「違法駐車車両に起因する交通事故の民事責任」名古屋大学法政論集139号〔平3〕
    8.  「相続債務の財産目録への不記載と共同相続人による限定承認の効力」椙山女学園大学研究論集23号2部〔平4〕
    9.  「ファクタリングと動産売買先取特権の物上代位の競合」私法54号〔平4〕
    10.  「高金利の消費者信用契約の民事規制序説」名古屋大学法政論集142号(平田春二教授退官記念論文集)〔平4〕
    11.  「遺産分割協議の法定解除と合意解除」椙山女学園大学研究論集24号2部〔平5〕
    12.  「クレジット会社の訴訟提起と不法行為責任」クレジット研究9号〔平5〕
    13.  「付郵便送達に関するクレジット会社の調査確認義務と不法行為責任」クレジット研究10号(平5〕
    14.  「『違法駐車車両に起因する交通事故の民事責任』補論」椙山女学園大学研究論集25号社会科学編〔平6〕
    15.  「会員の家族によるクレジット・カードの不正使用と月間使用限度額」クレジット研究12号〔平6〕  
    16.  「金銭消費貸借契約における弁済期自動延長特約と消滅時効」クレジット研究14号〔平7〕  
    17.  「わが国における『法と経済学』研究と不法行為」淡路剛久=伊藤高義=宇佐見大司編『不法行為法の現代的課題と展開(森島昭夫教授還暦記念論文集)』〔平7〕
    18.  「契約当事者以外の者に対する同時履行の抗弁権」金沢法学38巻1=2合併号(佐藤正滋教授退官記念論文集)〔平8〕  
    19.  「クレジット・カードの不正使用と会員の責任」クレジット研究16号〔平8〕  
    20.  「ドイツにおける『書面によらない撤回権(クーリング・オフ)』」クレジット研究17号〔平9〕  
    21.  「ダイヤルQ2判例の総合的検討と今後の課題」電気通信普及財団研究調査報告書12号〔平10〕
    22.  「書面の交付が適法に行われない場合とクーリング・オフ権行使の期間制限」クレジット研究19号〔平10〕  
    23. 「他人によるダイヤルQ2利用に伴う加入電話契約者に対する通話料請求の可否に関する総合判例研究」金沢法学40巻2号〔平10〕

     

  3. 判例研究(判例評釈・判例解説) 
    1.  「荷降ろし作業中の事故と自賠法3条の『運行によって』」名古屋大学法政論集128号〔平元〕
    2.  「売買契約の合意解除と仮登記経由者の保護」加藤一郎=森島昭夫編『不動産取引判例百選(第2版)』(別冊ジュリスト112号)〔有斐閣・平3〕
    3.  「魚あら処理工場悪臭事件」森島昭夫=淡路剛久編『公害・環境判例百選(第3版)』(別冊ジュリスト126号)〔有斐閣・平6〕
    4.  「長男が無断使用したクレジットカードの代金支払義務をカードの月間使用限度額50万円に限定した事例」判例時報1503号(判例評論429号)〔平6〕
    5.  「預金者以外の者によるキャッシュカード使用と銀行の免責」森島昭夫=伊藤進編『消費者取引判例百選』(別冊ジュリスト135号)〔有斐閣・平7〕
  4. 解説・レビュー・紹介・資料等
    1.  「不法行為請求権と他の請求権の競合」森島昭夫編『法学ガイド民法IV』(別冊法学セミナー112号)〔日本評論社・平4〕
    2.  「過失と違法性の一元化論」同前
    3.  「事務管理における他人のためにする意思」同前
    4.  《資料》「判例からみた加盟店に対するクレジット会社の調査・監督義務」クレジット研究8号〔平4〕  
    5.  《文献紹介》「ピエール・B・ポルト=ボブ・オスカム著『ピエール・ポルトのクレジットの上手な使い方』」クレジット研究11号〔平6〕
    6.  「生活社会科学と法 第1部 消費者と法」生活の科学16号〔平6〕
    7.  「更生手続開始とファクタリング」青山善充=金築誠志=山内八郎編『会社更生・会社整理・特別清算の実務と理論』(判例タイムズ866号)〔判例タイムズ社・平7〕
    8.  《資料》「書面によらないクーリング・オフ再論」クレジット研究15号〔平8〕 
    9.  《資料》「割賦購入あっせん取引におけるクレジット会社に対する購入者の既払金返還請求の可否に関する視角についての覚書」クレジット研究18号〔平9〕   
    10. 「金銭貸借の意義」消費者教育支援センター編・加藤一郎=宇野政雄監修『消費者教育事典』〔平10・有斐閣〕   
    11.  「クレジット・カード」同前   
    12.  「クレジット・カード契約」同前  
    13.  「クレジット・カードの紛失・盗難」同前   
    14.  「提携カード」同前   
    15.  「日賦貸金業者」同前   
    16.  「利息の計算」同前   
    17.  「利息の制限」同前
  5.  翻訳
    1.  『米国のクレジット・マネジメント(上)」(共訳)〔文真堂・平3〕
    2.  「地球温暖化一条約交渉への提言』(共訳)〔世界資源研究所・平4〕

     

  6. 学会報告 
    1.  「ファクタリングと動産売買先取特権の物上代位の競合」日本私法学会55回大会個別報告〔平3〕
  7. その他 
    1.  《座談会》「クレジット研究について」クレジット研究1号〔平元〕
    2.  「クレジットに関する私のこれまでの研究活動と今後の研究活動の展望」クレジット研究7号〔平4〕
    3.  「事務管理・不当利得・不法行為を学ぶにあたって」森島昭夫編『法学ガイド民法W』(別冊法学セミナー112号)〔日本評論社・平4〕   
    4.  消費者教育支援センター編・加藤一郎=宇野政雄監修『消費者教育事典』〔平10・有斐閣〕(「消費者信用」編集幹事)
2.共同研究への参加
 民事法研究会、金沢法学研究会に所属し、口頭発表を行っている。また、(社)日本クレジット産業協会クレジット研究所主催の研究会にも所属している。
3.教育活動
 金沢大学法学部における授業担当(このほかに、大学院および教養的科目の授業を担当している)  
  1. 平成 6年度 「基礎演習」「外国書講読」「債権法各論」「民法演習」「経済法特講〔消費者法〕」の一部
  2. 平成 7年度 「基礎演習」「物権法・担保物権法」「民法演習」
  3. 平成 8年度 「基礎演習」「民法総則」「民法演習」  
  4. 平成 9年度 「基礎演習」「民法総則」「民法演習」  
  5. 平成10年度 「民法総則」「不法行為法」「民法演習」
4.地域・学会における社会活動
 地域活動としては,地方自治体,消費生活センター等の「消費生活講座」において主にクレジット関連法についての講演を行っており、地方自治体の各種委員も担当している。また、学会活動としては,現在,「日本私法学会」「日本ビジネス法学会」「金融法学会」に会員として所属している。
5.今後の研究・教育上の課題
 研究活動では,従来研究テーマとしてきた金融取引法,特にクレジット法及び不法行為法をさらに深める形で研究をすすめ、さらに民法のその他の分野においても研究をすすめていきたい。また,教育活動では,より教育効果のあがる教育方法を試行錯誤しながら模索していきたい。さしあたり,講義では,対話方式の導入を試し,演習では,「基礎演習」において裁判方式を取り入れている。


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