平成13年度前期「親族法・相続法」授業アンケート(平成13年7月18日実施)より


1.授業の進度について
 ・早すぎる、もう少しゆっくりやってほしい(多数)
 ・ちょうどよい
 ・計画通りに授業が進むのは、予習がしやすい

コメント
 ・民法典の中の「親族法・相続法」の範囲は予め決まっています。これを4単位で行うことになっています。最初から、全部をカヴァーするという目標を捨てない限り現在のスピードはやむを得ないところです。授業についていくためには、単位制の前提である授業時間と同じだけの予習・復習が必要です


2.授業の方法について
 ・少しメリハリがなく感じた(重要箇所をもっと時間をかけて扱ってほしい、全部を扱えなくてもよいので重要なところを時間をかけてほしい)
 ・淡々とノルマをこなしているように見える
 ・判例・事例を掘り下げてほしい(もっと深い説明をしてほしい、応用問題をやってほしい)
 ・黒板を多く使ってほしい(高校までの授業に慣れきっているから)
 ・レジュメを配布してほしい(極めて多数)
 ・授業中に学生を指名して答えさせる授業をしてほしい
 ・授業をしているところの論点がまとめてあり、話題をつかみやすかった
 ・教師自身の見解をもっと述べてほしい

コメント
 ・授業のメリハリの点ですが、実はそこそこついているのです。全部を一通りカヴァーするので、わかりにくいかもしれませんが、重要なところは授業中にも繰り返し重要だといっているし、掛けている時間も長いです。たとえば、財産分離は現在ほとんど使われないので、その旨を説明し、極めて簡単に済ませました。他方、婚姻、離婚などには、かなりの時間をかけています。
 ・ノルマをこなしているように見える点ですが、「ノルマ」というのは最低限のことで、実はこれを達成するのも難しい場合が多いのです。私は、少なくとも最低限要求されていることは何があってもやるべきで(たとえば、授業時間と同じだけの予習・復習は、大学で授業を受ける以上、最低限要求されていることで、いってみれば授業を受ける者としてのノルマだともいえます)、その先は、その達成後、考えるべきだと思います。また、私にとっては、金沢大学(国)に雇われ、研究をし、学内行政をし、加えて学生に対して一定の授業をする代わりにお金をもらうという「契約」を結んでいる以上、ノルマを果たすのは義務でもあります(要求されていることを着実に行うことが重要なことは、森博嗣『臨機応答、変問自在』(集英社新書)でも強調されています)。実は、私が提供している授業は「最低限」ではないと個人的には思っていますが、それを置くとしても、ノルマをこなすことは重要なことです。
 ・判例・事例の点ですが、確かに時間との関係で十分でない点もあるかもしれませんが、重要判例は判例百選を参照しながら授業中に扱っています。これで物足りない人は、その解説や判例集の判決文などを自分で読めばよいわけです。
 ・黒板は必要に応じて使っています。高校の授業のようにやれというのは、大学に来た意味が分かっていないのではないかと思います。大学は高校ではありません。
 ・レジュメの点については、授業中にもいったように、米倉明『民法の教え方』(弘文堂)に触発されました。このアンケートによると、学生の中に、私の示唆したとおりに予習の段階で自分でレジュメを作って授業に臨んだので、非常に勉強になったという人がいます。
 ・授業中の指名は検討します。しかし、200名程度の授業では、全員に対して行うのはかなり難しいです。考えられるのは、指定席制の復活です。
 ・私自身の見解については、学生が影響を受けないようになるべくいわず、いろいろな考え方の中で、自分で考えてもらうように心がけています。これも高等学校までの「勉強」の仕方の弊害だと思うのですが、学生はすぐに「答え」を知りたがります。答えは与えられるものではなく、自分で考えて見つけるものだということを認識してほしいと思います。


3.毎回の授業内容(教科書該当ページ・扱う判例)の事前確定、および掲示
 ・勉強の計画が立てやすい
 ・予定表を掲示するだけでなく、最初の授業の際に全員に配布してほしい

コメント
 ・予定表の配布は、コスト・ベネフィット・アナリシスをして、検討します。


4.教科書について
 ・図が多い教科書を使用してほしい
 ・教科書に沿って進むのが退屈
 ・教科書に沿って進むのは、わかりやすい
 ・レジュメの変わりに、授業にあわせて教科書に書き込んでいったら、使い込んだ教科書になり、勉強をした気になった
 ・半年の授業で教科書2冊はこなせない(教科書の分量が多い)
 ・教科書の記述が簡潔すぎる

コメント
 ・いろいろな教科書がありますが、今回使用した有斐閣の双書シリーズは、定評があります。
 ・今回は、レジュメを配らず、また予習を要求している関係で、なるべく教科書の項目にそって授業を進めるようにしました。別に、教科書を朗読している訳ではありません。先にもコメントしましたが、判例百選など副読本も授業で用いています。ようするに、今回は、レジュメを使わないかわりに、副読本で補いながら、教科書の記述の順番に講義をしていったわけです。
 ・分量が多い点は、やむを得ないのではないでしょうか。薄い教科書を1冊にしてもよいのですが、必然的に情報量が少なくなります。
 ・双書が簡単だと思う人は、他の本で補ってください。そもそも教科書というものは参考書等で補うことを前提にしています。


5.理解のしやすさについて
 ・理解しやすかった
 ・重要な点がわかりにくかった

コメント
 ・、いろいろな人がいるものです。


6.授業時間について
 ・同じ曜日の1限・4限という組み方はやめてほしい

コメント
 ・時間割の作成者に考慮してもらいましょう。


7.試験について
 ・もっとたくさん論点が含まれた問題がよい
 ・参照条文配布ではなく、自己六法持ち込みにしてほしい(読みにくい、見出しがない)
 ・試験の範囲が広すぎる
 ・模範解答を公表してほしい

コメント
 ・試験の受験者はわかったと思いますが、今回の試験は、メチャクチャ簡単です。これには次のような訳があります。実は、以前、(私にとって)普通の問題を出題したところ、一生懸命勉強した人は、当然のことながらできるのですが、そこそこ勉強した人、ちょっと勉強した人はできず、あまり勉強しなかった人やほとんど勉強しなかった人と差がつかなかったのです(みんなできないから)。そこで、少し方針を変え、問題を簡単にしました。そうすると、勉強したなりにできるので、勉強した人と勉強しなかった人に差を付けることができます。
 ・自己六法持ち込みの点は、実は、問題が極めて簡単である点とリンクしていて、少しでも「不正」があるとまずいため、参照条文を配布しています。かりに自己六法持ち込みにするのならば、問題を通常の問題、すなわち少しぐらいの書き込みでは全く解けず、十分な勉強とそれに伴う十分な理解がないと解けない問題にする必要があります。先にも書きましたが、以前、このような問題を出題したところ、あまりできがよくありませんでした。
 ・知らない人もいるかもしれませんが、私は金沢大学に赴任して以来、ずっと、定期試験後に講評として、問題の解説と成績分布を掲示しています。

 


8.その他
 ・試験前に何かいいことがないかと思って、先生のHPを見たが、「学問に王道なし」という言葉を思い出した
 ・熱意があるのに、なぜ欠席者が多いのか。出欠をとったらどうか

コメント
 ・200人程度の授業で出欠をとるのは結構大変です(代返・代筆を防止して正確にやろうとすれば)。それに出席したことそれ自体にどういう意味があるのでしょうか。もちろん集中して聞いていれば意味がありますが、ほかごとを考えていたり、携帯電話をチェックしていたりしたら、その部屋にいても意味がありません。たしかに逆の意味で意味を持たせることはできます。すなわち、規則上、3分の2以上の出席がないと期末試験の受験資格がなくなりますので、受験資格の制限に使えます。しかし、このためだけに出欠をとると、その部屋にいたくない者、あるいは勉強する気のない者がやむを得ず出席することになり、とくに大人数の授業では悪影響の方が大きいと考えます。
 ・HPの「期末試験必勝法!」及び「答案の書き方」は是非参考にしてください。


(平成13年7月19日)(第2版:平成13年7月23日)(第3版:平成13年7月25日)

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