平成13年度後期開講「民法特講(消費者法)」について

 平成13年度後期開講の「民法特講(消費者法)」は、最終的に受講者が8名になってしまったので、期末の筆記試験は行わないことにしました。8名といっても、授業の度に少しずつ減っていったのではなくて、以下に述べるように、最初の授業で(資料は60枚程度なくなっていました。ということはその程度の出席はあったようです)予習文献一覧表と受講上の注意を示し、授業内容を説明したところ、2回目の授業では、ほぼ8名になっていました。これらの学生は結局最後まで受講し続けたことになります。
 8名という人数は、演習の規模であるし、次に示すように、きつい予習(といっても、単位制の前提として、授業時間と同じだけの予習と復習は当然に求められるはずで、その域を出ていませんが)を要求した上で、毎回、全員に発言を求める授業を行ったので、授業中の状況で評価ができ、筆記試験は行わないことにしました。もっとも、期末試験を受験する権利が学生にはありますので、受験したい人には期末試験を実施するといいましたが、誰も希望者はありませんでした。

 最初の授業で、授業内容を説明する際に配付した資料には、各回の予習文献(論文5〜6編、判決例1〜3)を掲げた後、次のような受講上の注意を付しました。受講者が極めて少数になってしまったのは残念ですが、まあ、予習、復習を要求するなど、きびしい?条件を課したせいだと考えておきましょう。


受講上の注意
@受講者は必ず予習をして授業に出席すること。
A授業の際には、受講名簿を元にして指名し、受講者に発言を求めることがある。この際、指名して返事がなければ、欠席として扱う。事後の在室の申し出を認めない。また、予習していることを前提として質問するので、明らかに予習していないことが原因で答えられない場合も、欠席と同様に評価する。
B受講者がやむを得ない理由で欠席する場合には、事前に以下の方法で理由を付して連絡すること。事後の報告は認めない。欠席理由によっては、出欠に関し考慮することがある。  電話:xxx−xxx−xxxx、ファックス&留守番電話:xxx-xxx-xxxx、電子メール:ojima@kenroku.kanazawa-u.ac.jp
C欠席(欠席と同様の評価も含む)が一定回数以上に達した受講者の期末試験受験資格を認めない。
D期末試験の採点は厳格に行い、レポート等による追完や就職が決まった旨の嘆願などいっさい認めないので、この科目は単位がほしい、卒業したいという理由だけで受講する学生には適さない。この科目は「選択科目」であるから、そのような学生は、他の科目を選択すること。


 なお、最後の授業(平成14年1月16日(水)2限)の終わりに、授業評価アンケートを行いました。結果は次のとおりです。

「民法特講(消費者法)」授業評価アンケート

T.あなたの状況について聞かせてください。
1.この授業に対するあなたの出席状況や受講態度を操業評価すると  非常によい(1) よい(6) 普通 あまりよくない(1)  悪い
2.予習を十分にしましたか            よくした(4) した(4)  普通(1)  あまりしなかった    まったくしなかった
3.復習を十分にしましたか            よくした   した(2)  普通    あまりしなかった(4)  まったくしなかった(1)
4.授業中、授業に集中していましたか     非常に集中(2) 集中(4) 普通(1) あまりしなかった  まったく しなかった

U.授業の内容について聞かせてください。
1.シラバスに沿って授業が行われた   強くそう思う(5)  ややそう思う(3)  どちらともいえない あまりそう思わない  まったくそう思わない
2.授業の目的が明確だった        強くそう思う(3)  ややそう思う(5)
3.授業に興味がもてた           強くそう思う(5)  ややそう思う(3)
4.授業の内容が理解できた        強くそう思う(5)  ややそう思う(3)
5.教師の話し方は明瞭だった       強くそう思う(5)  ややそう思う(3)
6.黒板の書き方はわかりやすかった  強くそう思う(1)  ややそう思う(4) どちらともいえない(3)
7.教師は重要なことを強調した      強くそう思う(3)  ややそう思う(5)
8.教師の授業に対する熱意を感じた  強くそう思う(7)  ややそう思う(1)
9.教師は学生の質問を促した      強くそう思う(3)  ややそう思う(4) どちらともいえない(1)
10.教師は学問をする雰囲気を保っていた 強くそう思う(4) ややそう思う(4)
11.この授業の総合評価は         非常によい(4)  よい(4)   普通   あまりよくない  非常によくない

V.その他、授業の感想、希望を自由に記載してください(裏も可)

(抜粋)
・大変密度の濃い授業だったと思います。それだけに予習など大変な時もありましたが、受講してよかったと思いました。
・予習もたくさんしなければいけなかったが、その分、頑張って予習することができたので、消費者法の講義の理解がしっかりできた。又、最初に予習文献の一覧表を配ると余裕をもって早め、早めに予習ができるので、このスタイルを今後も続けていただきたい。文献が借出禁止になっていると確実にコピーがとれるのでよかった。
・現在または今後、身近になるであろう問題が取り上げられていたので興味を持って授業にのぞむことができた。時々質問をされるので予習や授業も集中して行うことができたと思う。最終的には8人という少人数になってしまったが、その分、私にとって内容の濃いものとなった。
・正規の科目には消費者法の講義がないので、この講義を受講したのは正しかったと思う。特に、例えばクーリング・オフをする際には、単にハガキを送るのではなく、内容証明郵便を使うべきであるといった、被害にあわないための手段を知ることができたのは重要であり、今後の生活を営む上で大事な知識を身につけたと思う。
・普段の一般の授業では聞けないような内容であり、民法を現実の生活に具体化したような身近に感じられる問題だったので、興味がもてました。だから、このような現実問題に即したような内容も授業の中や他の授業だどで取り入れていってほしいと感じました。
・授業としては、毎時間テーマに沿って完結する内容であったから、予習もしやすかったし、分かりやすかったと思う。内容も具体的であったし、予習も楽ではなかったけど、問題も身近なところに存在するものがほとんどだったので、少なくとも今回の授業で扱ったような問題については、危険を回避する予防になったのではないかと思う。
・私はいつも授業が終わってから質問を思いついていたので、1週間前の内容についての質問ができると有難かったと思います。実際に意外と多くの消費者問題が身近に起こっているので、もっと早く勉強しておきたかった感じがしますが、大変勉強になりました。予習が多くて大変でしたが、実際の判例を多く読めたのも良かったです。
・民法上の原則を説明した後、消費者法(特別法)による修正を解説する形式はとてもよかったと思う。問題点がうまくつかめた。(時間の制約はあるけど)今回のように8人と少人数なら何回か討論(ゼミ)を交えてみたい(自分の考えが周りとどう同じで、どう異なるかを知ることができるので)。ズレを把握して自らの見解を再検討したかったので。

コメント
おおむね好評でよかったです。
質問については、別にいつしてもらってもよかったですし、オフィス・アワーもあるので、その時間も利用してください。
討論形式の授業ですか、私がみなさんの意見を聞いているときは、私が司会役、みなさんが討論役というつもりでやっていましたが・・・。
今後も、頑張って勉強してください。


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